人工内耳決意に至る我らの思い②
「人工内耳手術を希望したい」
私の強い願望と唯一の希望でした。
2015年にカナダ移民して
慌ただしい日本生活から一変した。
理想のゆったりとした生活の中、
徐々に聞こえが悪くなってきたのを感じ、
2人目の出産から9ヶ月後に
突然の悪夢。
最初はあれ??補聴器が壊れたかも?
修理してもらう度に聴力が戻ってきたり
戻らなかったりと波が出てきて、
そこで
初めて自分の聴力が落ちている事
に気づきました。
39歳でした。
なんで今?
どうせ全く聞こえなくなるなら、
死ぬ間際でよかったのに。
子育て真っ只中なのに、
なんで今!?
と同時に
学生の時じゃなくて良かった。
社会人の時じゃなくて良かった。
色んな葛藤がある中、
徐々に電話で聞こえるはずの声が
スーッと消えていく
焦りと悲しさで
絶望の気持ちに苛まれた。
聴力が落ちていく前兆がいつも頭痛だった。
朝、目が覚めたら
聞こえくなっていたのが今までのパターン。
今回は、装着中に音と声がプツプツと
消えていった。
頭痛の原因を最小限にするために
整骨院通いやアルコール飲料を飲みすぎない、ストレスを溜めないように
色々してきたのに。
聞こえがガラリと変わり、
入ってくる音に
聞き分けができなくなった。
声が完全に聞こえなくなり、
響く音のみになった。
今まで積み上げてきたものが
ポロポロと抜け落ちていく感覚で、
人に頼らざるを得ない状況が増えていった。
人に頼る事が
私にとっては自分の弱さを見せること。
弱さを見せるのは恥
助け合いなんて綺麗事
変なプライドがある私にとって
1番辛く、悔しい、もどかしい気持ちだった。
この先の不安で悲観的になっていた時、
主人からの言葉で冷静になれた。
「今聞こえなくなって良かったやん。」
「君が60歳になってその状況になったら
ショック度がもっと大きいと思うよ?」
確かに。
これからどうするか考えようと
少し前向きになれた。
そこで「人工内耳」に出会い、
あいりさんやその他の方々、
日本人だけではなくカナダ人の話も聞き、
デメリットもメリットも知ることが出来、
将来が明るく見えてきた。
「人工内耳」を埋める事に全く迷いはない。
なぜなら、聞こえないままでは良くないのが今の状況だから。
私以外の家族は全員健聴者。
手話を覚えるよりかは、
私がちょっとでも聞こえるようになった方が早い。
特に家族の中で
1番頼らないといけない相手は主人。
多忙で危険な仕事をしている為
ストレスMAXで家に帰ってきて、
会話しても聞こえていない、
話が通じない私にイライラしているのが伝わるし、このままだと夫婦の仲が悪くなるかもしれない。
聞こえていた時は
「一回で聞こうとしろ」
から
聞こえなくなった時は
「口元をちゃんと見ろ」
に変わっただけ。
そんな優しくない主人が
時間をかけて手話を覚える気なんて更々ないでしょう。
それだけではなく、
聞こえない事が「危険」と隣り合わせになる事もありえる。
主人が夜勤やトレーニングで家に居ない事が多く、私が子供達を守っていかないといけない。
実際に、聞こえない私のせいで、
水漏れで地下水浸しや息子の失踪未遂
があった為、人工内耳をした方が
「安全」という考えが一致した。
まずは「人工内耳」で
再び自分らしく生きる自立をしたいですね。
写真:主人にピクニックに行こうと誘われ、連れていかれたのがロッキー山脈でした。風に飛ばされたら死ぬレベルです。
現在:重度難聴
社会人:高度難聴
小・中・高校・大学:中度難聴
(小学校1年生の時、言葉の発達が遅れていたのを担任の先生によって発覚)
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